〜 第六弾:今日の一冊 〜  風の王国

五木寛之 著 新潮社
北関東で生まれ育った筆者は、遠いご先祖はもしかしたら蝦夷だったかも知れないと考えたりすることがある。動乱の波に洗われ、その痕跡を消していった(消されていった)国栖、土蜘蛛、隼人、そして蝦夷などと呼ばれた人々のことが、なぜか非常に気になる。坂上田村麻呂に敗れた蝦夷の将アテルイを、カエサルに敗れたガリアの将ヴェルキンゲトリクスに重ねてみたりもする。いやいや、これはオーバーシュートですな。蝦夷、平将門、近くは戊辰戦争と、関東以北は負け続けである。西にデカイ顔ができたのは、鎌倉と江戸くらいか。西とも東ともいえないエリアを本拠とした信長が本能寺で斃れなかったら、歴史はどう展開していただろう。

歴史にifを持ち出してもはじまらないといわれる向きも多いが、ifは筆者の大好物である。
以上くだくだと並べたが、何を言いたいのかといえば、筆者には判官贔屓の気味がある、それに尽きる。

「風の王国」には、現代を生きる「山の民」の闘いが映画化にバッチリの、鮮明なイメージを呼ぶ文章で描かれている。ちなみに、さらに壮大な舞台設定で同様のテーマを語った「戒厳令の夜」は映画化されているが、筆者は観ていない。拙文を読んで下さっている方々の中には、サンカという言葉を耳にしたことのある方もおいでだろう。山の民もしくは山人と一口にいっても、さまざまなライフスタイルの人々が存在したという。サンカといわれた人々も、「もののけ姫」のエボシ御前率いる蹈鞴(たたら)場の人々も山人に含まれるそうだ。かつて山の民は里人の預かり知らぬ山中のルートを自在に移動し、自然を生かした独自の暮らしを営んでいたといわれるが、徴税、徴兵といた観点から戸籍を持つことを迫る時代の到来とともに、みずからを語ることなく里へ「トケコミ」、次第に忘れられた存在に・・・しかし、「風の王国」では・・・

 

ご参考までに:
下記のサイトの管理人さんが、サンカについての興味深い情報載せておいでです。

http://www.kumanolife.com/

 

by キャットウーマン

Amazonへのリンク→風の王国

○私もひと言 。
久しぶりに面白い小説を一気に読みました。大阪生まれの私にとって遠足でよく行った二上山がなんと、、、、。
何べんも遊びに行っている堺にある仁徳天皇陵がなんと、、、、。
もう知らなかった事だらけで驚きともし帰郷する機会があれば、この小説に出てくる他にも何度も行った事のある当麻寺など再度、訪問したい気持ちで一杯になりました。
キャツトウーマンさん、ごっついおもろい本を紹介して頂いておおきに!    wakko

 

Topページへ戻る / 虎犬書棚への投稿 / 感想・ご意見など