〜 第14弾 〜  リトル・トリー
 
著者 フォレスト・カーター 訳者 和田 穹男
めるくまーる

私は日本人でそれも大阪の天王寺に近い都会育ちですが、子供の頃にご縁があり「自然の会」という関西圏の山や川や海など、子供達に自然との関わりを持たせて下さった大寺先生のおかげで、この本の主人公である少年のリトル・トリーそしてチェロキー族という北米南東部のアパラチア山脈南部に住んでいた森林インディアンの祖父母との自然との関わり、大地からの恵みの話が、目の前にそれらの光景が浮かび上がるように読み進みました。

風が鳥が樹々が話かけてくれる、その声を聞いて毎日の生活を楽しむ事が出来る今の環境も、共感出来る大きな一因であると思います。

御祖母さんが5歳のリトル・トリーに、とっても大事な事を教える話を少し要約して書いてみます。
「人間には2つの心を持っているんだよ、ひとつは体の心(ボディー・マインド)つまり体がちゃんと生き続けるように働く心の事。
もうひとつは霊の心(スピリット・マインド)、それはちょうど筋肉みたいに使えば使うほどに大きく強くなっていくんだよ。
ものごとをきちんと理解する時に使うのよ、体の心の言うままになって欲深くなったりしない事、そうすればものごとがよーく理解出来るようになる。
努力すれば理解は深くなっていくんだよ。理解というのは愛と同じものなの。でもね、理解していないくせに愛してるふりをするという勘違いをする人がよくいる、それでは何にもならない」

で、たった5歳のリトル・トリーはきちんと言葉の意味を理解するのです、なぜかというと御祖父さんが山で罠にかけた鳥を必要な分だけ持ち帰り、あとは逃がしてやるという大事な掟や、ミツバチが蜜を貯め込んで他の生き物に盗られ、取り合いになる行為を人間に例え、それが戦争も元なのさ、などとチェロキー族の掟を教えてもらっていたからかも知れません。

白人に住む場所を剥奪され差別されてきた歴史、ユダヤ人の行商のおじさんとの関わりなど、たくさん考えさせられる事が詰まっている。

心と体は深く結びついていて、どっちも疎かに出来ないけれど、御祖母さんの言うように「ものごとをきちんと理解する」その愛を大きく育てていきたいと強く願った本でした。

最後に此の本の最初に書かれているリトル・トリーを御祖母さんが褒めた言葉を書きたいと思います。
「おまえはとっても正しいことをしたんだよ。何かいいものを見つけた時、まずしなくちゃならないのは、それを誰でもいいから、出会った人に分けてあげて、一緒に喜ぶ事なの。そうすれば、いいものはどこまでも広がっていく。
それが正しい行いってものなんだ。」

はい、おばぁちゃん、私は此の素晴らしい本をたくさんの人に読んでもらって喜びを分ちあいたいです。

by Wakko

 

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