〜 第19弾 〜  ぼくはお金を使わずに生きることにした

マーク・ボイル
紀伊國屋書店

女房につきあって出向いたショッピングモールで、買い物に疲れて逃げ込んだ書店の書棚に並んだ本をぼんやりと眺めていたら、この本の著者の鋭い眼差しに射止められてしまった。
なんか良い儲け話の本でも...みたいにすっかり気がゆるんだ状態でいたために、その本のタイトルに軽いショックを受けつつ、ぐぐっと引き寄せられてしまった次第。

ぼくはお金を使わずに生きることにした マーク・ボイル

最初は、ホームレス生活の体験記か?と思ったが表紙の写真にロケットストーブやキャンピングトレーラーと自転車の姿を見つけ、直ぐに自分の求めるジャンルの本であることに気付く。
筆者は、フリーエコノミー・コミュニティ サイトを主催するアイリッシュで、2008年末から1年間お金を一切使わない生活実験を決行。衣食住、光熱費、身の回り品に至るまで一切金を使わない生活である。
何処かの国のテレビ番組のようなインチキも、また過剰な演出も一切無い。しかし、ただ畑仕事と節約だけ、みたいなひたすらストイックな暮らしではなく、旅行もすれば、数千人規模のイベントも成功させてしまう。

金を稼ぐ、もしくは金を儲けるということは、当たり前の事で、多くの人にとっては、それが生活の大半、人生の多くを占めるようにすらなっている。お金を沢山持つ事、沢山使う事があたかも幸せであるような錯覚を今の消費型社会が先導しているからだ。
誰もが、金の無い状況を恐れ、忌み嫌い、できれば自分はそうなりたくない...みたいに常に頭の中で警鐘が鳴っているし、少しでも良い給料を得る為にと子供の頃から尻をたたかれて育てられているのだ。さらに追い打ちをかける様に質素倹約と言った古き良き美徳は失われつつある。

そんな中で、金が無くても生き延びられる..じゃなくて、豊かに暮らせる事を証明してみせようとするこの試みは、実に痛快だ。
その根源は、地球へのインパクトの大きい現代文明のあり方を憂い、その社会の中で当たり前の前提となっている貨幣経済そのものを考え直そうという試みである。
貨幣を介さずとも、人と人とが親切な気持ちで接し合えば、トレードは成立するし、より幸福なコミュニティが実現する。(物々交換ではなくペイ・フォワード)
金を稼ぐ為にできた都会の街では難しいかもしれないけれど、屋久島を始め、日本の様々な地域のコミュニティでは完全ではないけれど、思い当たりますよね。--いつもチェーンソーの調子を見て貰ったりするから、取れすぎた野菜をお裾分け等々..。困った時も嬉しい時も地域の人と人との助け合い分かち合いがある日本の田舎はすでに成立している部分は多いと感じます。著者もそんなコミュニティを作るべく立ち上がり、本の印税を元に財団を設立し土地の取得へと動き出します。

しかしねえ..、この人は果物を中心とした菜食主義者であり、若くて健康で、医療費等の問題も発生はしなかった。自分に置き換えてみると、子供の教育は?コーヒーは?あっちこっちの薬は?と完全に金無し生活を実施するには、色々と思い悩む点もあったりするのだけれど、完全ではないにしろ、なるべく金のかからない地球に優しい暮らしを目指すくらいのことならできそうだ。
少なくとも「金持ち=幸せ」「金無し=不幸」という呪縛や物欲から解放され、自由に楽しく生きて行けそうだと、明るい気分にさせてくれた本でした。
実践的な、金無し生活のノウハウも多数紹介されていますよ。

by Ryutaro

それにしても私達現代人は「消費」する為に生きているかの如く、生活しているのかも。
電気、水道、ガス、いわゆるライフラインか。
電気を引いていない友達は?と思い浮かべると「居ます!!」これは屋久島でも実現出来る。
たぶん都会でも出来ない事はないと思う。
水道は、屋久島では100%実現可能でござる。
なってたって水の島で湧水や沢水がなんぼでもあるからね。
都会では、難しいかも。
汚い水を浄化するのが最近販売されているらしいけれど、購入するのに「お金」が必要や。
ガスの代わりに、薪ストーブ、ロケットストーブ(これは屋外のみの使用やけど)、七輪、炭など、出来ない事はない。
問題は食料やな、う〜ん、、、屋久島でもお金を全く使わない訳にはいかないかも。
「お金を使わない生き方」を是非とも参考にしたいです。

by Wakko

 

Topページへ戻る / 虎犬書棚への投稿 / 感想・ご意見など